私たちの足裏は、立っているときや歩いているときに常に地面に接して、体全体を支えています。この足裏が健康であるかどうかは、体のさまざまな不調に関わってくる重要なポイントです。今回は、足の健康における「足裏アーチ」の重要性と、今すぐに実践できる簡単なトレーニング方法をご紹介します。
1. 足裏アーチとは？
足裏アーチとは、足の裏にある3つの弓状の部分を指します。これらのアーチは、足全体のバランスを取り、体重を均等に支えるために重要な役割を果たします。足裏アーチは、体全体の土台ともいえる部分であり、これが崩れると以下のような問題を引き起こす可能性があります。
- 足が疲れやすい
- どんな靴を履いても足が痛い
- 外反母趾や扁平足などのトラブル
- 膝や腰の痛み
これらの不調の原因は、足裏のアーチが正しく機能していないことにあるかもしれません。
2. 足裏アーチが崩れる原因
現代の生活では、足の指や足裏の筋力を十分に使わないことが多く、足の使い方に偏りが生じやすいです。たとえば、以下のような習慣がアーチの崩れを引き起こします。
- 足の指や足裏の筋力の不足
- 足の重心のかけ方の癖
- 不適切な靴を履き続けること
これらの要因により、足裏アーチがなくなってしまうと、足全体のバランスが崩れ、上記のような痛みや不調を引き起こすリスクが高まります。
3. 足裏アーチをチェックしよう
まずは、あなたの足裏アーチがしっかり機能しているかどうかをチェックしてみましょう。自宅で簡単にできる方法をご紹介します。
- 濡れた足テスト
お風呂上がりなど、足を少し濡らしてから平らな床に立ち、足跡を確認します。足跡の中央部分にくびれがしっかりある場合は、アーチが正常です。くびれが少ない、または全くない場合、アーチが崩れている可能性があります。
4. 今すぐできる足裏アーチをつくる簡単トレーニング
足裏アーチを取り戻し、強化するためには、日常の中で足の筋肉を意識して使うことが大切です。以下の簡単なトレーニングを取り入れてみましょう。
① タオルギャザー
- 床にタオルを敷き、その上に裸足で立ちます。
- 足の指でタオルをつかんで引き寄せる動作を繰り返します。
- 1日数分間行うだけで、足裏の筋力を強化することができます。
② かかと上げ運動
- 両足を肩幅に開いて立ちます。
- ゆっくりと足の指で地面をつかむようにして、かかとを持ち上げます。
- 5秒間キープしたら、ゆっくりと元に戻します。10〜15回繰り返しましょう。
③ ゴルフボールマッサージ
- 座った状態で、足裏にゴルフボールを置き、足の裏全体でボールを転がします。
- これにより、足裏の筋肉が刺激され、アーチを支える筋肉の柔軟性が高まります。
5. 正しい靴選びのポイント
足裏アーチのサポートには、適切な靴選びも重要です。足に合ったサイズやクッション性の高い靴を選ぶことで、日常生活で足裏にかかる負担を軽減することができます。特に、アーチサポートがしっかりしたインソールを使うことで、足裏アーチの維持を助けることができます。
足裏アーチはどこにある？
はじめに、足裏のアーチって何？というところからみていきましょう。足裏アーチは全部で3つあります。縦のアーチが2つと横のアーチが1つ。
親指側の縦アーチは“土踏まず”としてよく知られています。
実は親指側だけじゃなく、小指側にも縦アーチがあるのです。足裏アーチは足にかかる重さを分散して両端に伝える役割があります。3つある足裏アーチ、あなたにはありますか？
足裏の縦アーチをつくるには？
足裏の縦アーチがなくなると、扁平足になり、外反母趾にも繋がります。 縦アーチをつくる方法は、とてもシンプル。それは、“足の指を反らす” ことです。裸足で、足の指を持ちあげて、反らします。
足指を反らすと足裏の筋肉が伸び、伸びすぎを防ぐために、足底筋膜（足裏の筋肉をはがすとある筋肉）が引き合い土踏まずが引き上がっていきます。これを足底筋膜の巻き上げ効果と言います。足指を反らすことで、足底筋膜の巻き上げ効果がおき、縦アーチができます。普段の生活の中で、足の指を反らすことなんて、なかなかないと思いますので、
歯をみがくとき、髪の毛を乾かす時、食器を洗う時、立ち話をするときなど、
ちょっとした時間を利用して足指を反らすのがおすすめです。
足裏の横アーチをつくるには？
突然ですが、足の指はどこから始まっていると思いますか？
足指の根元はどこでしょうか？ちょっと考えてみてください。正解は、目で見た指先の部分だけではなく、解剖学的にいうと足の指をグーに握ったときにボコボコとでるところ＝第3関節からが足の指です。
足の指をグーにしたときにぼこぼこと出るところ
足裏の横アーチをつくるには、足指の第3関節を使うことがポイントになります。よくあるエクササイズで、床に置いたタオルを足の指で引き寄せるというのも、足指の第3関節が使えていないとほとんど意味がありません。足指（の第3関節）が使えていないと、横アーチがなくなり、足の横幅が広がる開帳足になってしまいます。足指の第3関節を使って、横のアーチをつくる方法をご紹介します。ここで、用意してほしいものが一つあります。それは、“ペン” です。シャープペンでもいいですし、インクがなくなってつかなくなったペンでも大丈夫ですので、ペンを1本用意して下さい。
足裏の横アーチをつくるエクササイズ１
裸足で足指をグーに握り、ペンを横にして足指で握っていきます。手でペンを引っ張っても抜けないようにしっかり握りましょう。これを3〜5呼吸行います。
足裏の横アーチをつくるエクササイズ２
足指をグーにして指の間にペンを縦にはさみ、手で引っ張っても抜けないように３呼吸します。はじめは、親指と人差し指の間にペンを縦にはさみ、終わったら、となりの指へと移動して薬指と小指の間まで、各指の間を順番に行っていきます。
女性の場合、ヒールの靴等つま先が細い靴を履く事が多く、小指側がつぶれがちで、このエクササイズをやると薬指と小指の間にペンを挟んだとき、手で引っ張ると簡単に抜けてしまうことがあります。その場合、特にその指が使えていないということになるので、他の指よりも少し長くペンを挟むのをおすすめします。足の左右差や指によってもやりやすい指とやりにくい指があるので、
そういったことも感じながら行っていきましょう。 今回ご紹介した方法を実践して、足裏のアーチをつくっていきましょう。
まとめ
足裏アーチは、私たちの身体全体のバランスや健康に大きく関わる重要な部分です。アーチが崩れることで、足の痛みや全身の不調に繋がる可能性がありますが、今回ご紹介した簡単なトレーニングを日々の生活に取り入れることで、アーチを強化し、足の健康を保つことができます。あなたの足裏もぜひチェックして、健やかな足を目指しましょう。
足裏アーチを整えることで、より快適な日常生活を送り、全身の健康をサポートすることができるはずです。
